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インプラント専門医の視点|抜歯した後の骨は、放っておくと痩せていきます。「治療後」ではなく「抜歯のその日」から始まる予防があります。(リッジプリザベーションについて)

インプラント専門医の視点|港区・麻布・六本木・三田・赤羽橋・神谷町・虎ノ門のインプラント治療ブログ|リッジプリザベーション(歯槽骨保存術)

前回の記事では、骨が不足してしまった状態に対して骨を増やすGBR(骨再生誘導法)についてご紹介しました。今回はその一歩手前、「骨を減らさないためにできること」についてお伝えします。

「抜歯はただ歯を抜くだけの処置」と思われがちですが、実はこの瞬間の処置の仕方によって、将来インプラントができるかどうか、追加の骨造成が必要になるかどうかが大きく変わります。これがリッジプリザベーション(歯槽骨保存術)という考え方です。

この記事でわかること

  1. 抜歯後、骨に何が起きているのか
  2. リッジプリザベーションとは何か
  3. 「抜歯してすぐ放置」と「リッジプリザベーション」の違い
  4. どんな方に特に重要か
  5. 治療の流れ
  6. よくあるご質問

抜歯後、骨に何が起きているのか

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歯を支えていた骨(歯槽骨)は、歯がそこにあることで刺激を受け、形と量を維持しています。歯を抜くと、その刺激がなくなることで骨は徐々に吸収され、痩せていきます。これは自然な生理的変化であり、誰にでも起こることです。

研究データでは、抜歯後最初の3〜6か月で骨の幅・高さ(水平的な幅:4mm程 /垂直的な高さ: 2mm 程)ともに大きく失われることが報告されています。特に水平方向の吸収が顕著で、抜歯後1年でかなりの骨量が失われるケースもあります。「歯がなくなった場所はそのうち歯肉でふさがるから大丈夫」と思われがちですが、その下にある骨は静かに減り続けているのです。

骨の吸収は痛みもなく、自覚症状もほとんどありません。だからこそ「気づいたら骨が足りなくなっていた」という状況が多く起こります。将来インプラントを検討する可能性が少しでもある場合、抜歯のタイミングでの判断が重要になります。


リッジプリザベーションとは何か

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リッジプリザベーション(Ridge Preservation)とは、抜歯と同時に抜歯窩(歯を抜いた後の穴)に骨補填材を入れ、必要に応じてメンブレン(保護膜)や歯肉の移植材で covering することで、抜歯後の骨の吸収を最小限に抑える処置です。日本語では「歯槽堤保存術」とも呼ばれます。

前回ご紹介したGBRが「すでに失われた骨を取り戻す」治療であるのに対し、リッジプリザベーションは「これから失われる骨をあらかじめ守る」予防的な処置です。同じ骨造成という枠組みにありますが、考え方は対照的です。

リッジプリザベーションGBR
タイミング抜歯と同時骨が不足した後(多くは抜歯から時間が経過してから)
目的骨の吸収を予防する失われた骨を再生させる
処置の規模比較的小規模骨の不足量によっては大掛かりになることがある
将来の選択肢インプラント・ブリッジ・入れ歯すべての選択肢を残しやすい選択肢がインプラントに限定された後の処置になることが多い

当院では、抜歯が必要な患者様に対して「この歯を抜いた後、将来インプラントを考える可能性はありますか」を必ずお伺いするようにしています。可能性が少しでもある場合、抜歯と同時にリッジプリザベーションを行うかどうかをご説明し、一緒に判断していただきます。後から「あのとき処置しておけばよかった」とならないように、選択肢を事前にお伝えすることを大切にしています。


「抜歯してすぐ放置」と「リッジプリザベーション」の違い

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処置をせずそのままにした場合

  • 抜歯後3〜6か月で骨の幅・高さが大きく減少
  • 将来インプラントを希望した際、骨が不足していることが判明
  • GBRなど追加の骨造成が必要になる可能性が高い
  • 治療期間とトータルの負担が増える
  • 骨の不足が大きいと、インプラント自体が難しくなることもある

リッジプリザベーションを行った場合

  • 抜歯窩に骨補填材を入れ、吸収を最小限に抑制
  • 骨の幅・高さが比較的保たれた状態を維持
  • 将来インプラントを行う際、追加の骨造成が不要、または小規模で済む可能性が高い
  • 治療期間の短縮につながりやすい
  • インプラント以外の選択肢(入れ歯・ブリッジ)にも有利に働く

「今はインプラントを考えていないが、将来的に必要になるかもしれない」という方にこそ、リッジプリザベーションを知っておいていただきたいと思っています。一度失われた骨を取り戻すのは、最初から守るよりも多くの時間と負担がかかります。


どんな方に特に重要か

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  • 将来インプラントを検討する可能性がある方——今すぐでなくても、将来的な選択肢を残しておきたい方には特に重要です。
  • 前歯部の抜歯——前歯は見た目への影響が大きく、骨の吸収によって歯肉のラインが下がると審美的な問題が生じやすい部位です。
  • 骨がもともと薄い・少ない方——骨格的に骨の厚みが少ない方は、抜歯後の吸収によって将来の選択肢が大きく制限されるリスクが高くなります。
  • 複数の歯を抜歯する予定がある方——広範囲の抜歯は骨の吸収量も大きくなりやすく、将来の治療計画に与える影響が大きくなります。

逆に、もう二度と歯を入れる予定がない部位や、入れ歯やブリッジで十分と判断している場合は、必ずしもリッジプリザベーションが必要というわけではありません。患者様のライフプランや希望によって、必要性は変わります。


治療の流れ

1. 抜歯前の相談

抜歯が決まった段階で、将来の治療計画(インプラントの可能性があるか等)を確認し、リッジプリザベーションの必要性をご説明します。

2. 抜歯と同時の処置

できるだけ骨や歯肉を傷つけない方法で抜歯を行い、抜歯窩に骨補填材を充填します。必要に応じてメンブレンや歯肉の移植材で covering します。

3. 治癒期間

骨と歯肉が安定するまで、通常3〜6か月程度の治癒期間を設けます。この間に骨の状態を経過観察します。

4. 次のステップへ

骨が安定した状態を確認し、インプラントを希望される場合はそのまま埋入へ。入れ歯やブリッジを選択される場合も、保存された骨により安定した土台が確保されています。


今後、このブログで取り上げる予定のテーマ

▶ 次回予告:上顎の骨が少ない方向けの骨造成についても解説していきます
上顎の奥歯部分は、構造上骨の高さが不足しやすい特有の部位です。サイナスリフトやソケットリフトといった上顎特有の骨造成方法について、次回詳しくご紹介していく予定です。


よくあるご質問

Q: すでに抜歯してしまった歯があります。もうリッジプリザベーションはできませんか?

A: リッジプリザベーションは抜歯と同時に行う処置のため、すでに抜歯した部位には行えません。その場合、骨の吸収が進んでいればGBRなど別の骨造成方法で対応することになります。今後別の歯を抜歯する予定がある場合は、その際にぜひご相談ください。


Q: どの歯を抜いてもリッジプリザベーションをしたほうがいいのですか?

必ずしもそうではありません。親知らずなど将来的に歯を入れる予定のない部位や、すでに入れ歯・ブリッジで対応すると決めている場合は、必須ではないこともあります。抜歯前に「この後どうする予定か」を一緒に確認しながら、必要性をご判断します。


Q: リッジプリザベーションをすれば、絶対に骨は減りませんか?

A: いいえ、完全に骨の吸収を止められるわけではありません。あくまで「吸収を最小限に抑える」処置です。個人の骨代謝や治癒の状態によって効果には差があります。「絶対」とお約束することはできませんが、何もしない場合と比べて骨を保存できる可能性は高くなります。


Q: 費用はどのくらいかかりますか?

A: 通常の抜歯にリッジプリザベーションの処置が追加される形になるため、別途費用がかかります。具体的な金額は使用する材料や処置の範囲によって異なります。抜歯前のカウンセリングで、必要性とあわせて費用の目安もお伝えします。


Q: まだ抜歯するかどうか迷っています。相談だけでも大丈夫ですか?

A: もちろんです。「この歯は抜くべきか」「抜いた後どうすればいいか」という段階からのご相談を歓迎しています。レントゲンやCTで現在の状態を確認し、将来を見据えた選択肢を一緒に考えます。その場で抜歯や治療を決める必要はありません。


当院は港区麻布十番・六本木・三田・赤羽橋・神谷町・虎ノ門・西麻布・元麻布・南麻布・麻布台エリアからアクセスしやすい立地にあります。「これから抜歯を予定している」「将来のインプラントの可能性を残しておきたい」という方のご相談をお待ちしております。

「この歯、このまま抜いて大丈夫?」
抜歯を予定している方は、まず一度ご相談ください。
将来の選択肢を残すために、抜歯と同時にできることがあります。
現在の状態を確認したうえで、必要性を正直にお伝えします。
その場で治療を決める必要はありません。

[赤羽橋歯科矯正歯科] / 港区麻布 / TEL:03-6230-9900

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