小児歯科とは?
小児歯科はその名の通りお子様を対象とした歯科治療を指します。では何歳から何歳までが小児歯科の対象でしょうか?一般的には0歳から17歳位までを目安に小児歯科と定義されることが多いですが、実は明確に年齢は決まっていません。そのため、お子様が歯科診療を受けるのに年齢制限はありません。小児歯科での治療を終える時期の基準は、永久歯が生え揃って顎の成長が完了したときです。小児矯正については、6歳~12歳で1期治療、12歳以降を2期治療と分けられます。
まずは、これまで通っていた歯科医院に、何歳まで小児歯科として治療を行うのか尋ねてみましょう。これまで長くお口の中を診てきた歯科医師であれば、成長状態を踏まえて何歳まで小児歯科として診療するか教えてくれるはずです。
大事な乳歯
乳歯がむし歯になってもいずれ永久歯に生え変わるから問題ないと思う方もいらっしゃいますが、乳歯がむし歯になった場合、永久歯もむし歯になるリスクが高まります。そのため、乳歯の段階から丁寧なセルフケアと定期健診、プロフェッショナルケアを行い、乳歯の健康を守ることが大切です。
乳歯は、永久歯と比べてむし歯が早く進みやすい他、むし歯になってもわかりにくいという特徴を持ちます。さらに、神経の近くまで進行しても痛みが起こりにくいため、神経に感染して根管治療が必要な状況になるまでむし歯に気づけないケースが少なくありません。お子さまのむし歯を早期発見・早期治療するには、定期健診でこまめに口の中をチェックする必要があります。
小児歯科治療
小児歯科では、乳歯にフッ素を塗布してむし歯に強い歯質へと導きます。フッ素には、歯の再石灰化を促す働きがあります。再石灰化とは、歯から溶け出したミネラル成分が歯に戻る現象のことです。フッ素が含まれた歯磨き粉もありますが、歯科医院で使用するフッ素よりも濃度が低いため、それだけのケアでは不十分です。定期的にフッ素の塗布を受けることで、むし歯予防の効果が高まります。
また、小児歯科では生え変わったばかりの永久歯の奥歯の溝にレジンを流し込み、糖質が詰まりにくくするシーラントを行っています。奥歯の溝は複雑な構造をしており、歯ブラシがすみずみまで届きにくく、むし歯のリスクが高い箇所です。
その奥歯の溝をあらかじめ埋めてむし歯を防ぐのがシーラントです。
ブラッシング指導
お子様の歯は永久歯と比べてむし歯のリスクが高いため、入念な歯磨きが必要です。そこで、歯科衛生士が正しい歯磨きの方法を指導させていただきます。
子どもの矯正
子どもの矯正治療は、第一期治療(6歳~12歳頃)と第二期治療(12歳以降)に分かれます。第一期治療では、顎の成長をコントロールすることで、永久歯がきれいに並ぶ顎を作ることを目的としています。第二期治療は、第一期治療だけでは永久歯がきれいに並ばなかった際に、ブラケット矯正やマウスピース矯正などで歯並びを整える治療のことです。
第一期治療を受けることで、第二期治療が不要になる可能性があります。また、第二期治療が必要だとしても、抜歯を伴うような治療を免れる可能性が高まります。第一期治療を行う年齢は6~12歳頃、第二期治療は12歳~成人です。
T4K
T4Kとは、頬や舌、唇の筋力を強化するマウスピースを装着する治療法です。舌の位置を改善しつつ歯並びを整えることで、歯並びを乱す悪い癖を解消できます。良好な噛み合わせに導くとともに、その状態が長期にわたり続くようになります。また、T4Kはマウスピースの為、歯磨きもしっかりと行えて衛生的です。日中1時間と就寝時の装着のみなのでお子様もストレスなく装着することが出来ます。
口腔筋機能療法MFT(プレオルソ)
お口のまわりの筋肉が発達していない歯並びが悪くなる原因となります。口腔筋機能療法MFTは、口周りの筋肉のバランスを整えて悪い癖を解消するトレーニングです。このトレーニングをおこなうことでお口周りの筋肉を正しく発達させて綺麗な歯列を作ることを目的としています。装置はプレオルソと呼ばれるシリコン製の柔らかい素材の装置を使用するため、装着時の違和感はほとんどありません。また、自由に取り外せるので、思春期のお子様でも気にせず使用していただけます。
拡大床
顎が小さくて歯が生えてくる十分なスペースがない場合、無理に歯が生えてきてしまいガタガタな歯並びになってしまうことがあります。拡大床は、このような場合に歯が生えてくるスペースをしっかり確保出来るよう、顎を拡げるための装置です。入れ歯のような床(しょう)についているネジを回すことで顎を拡げる事が可能です。痛みも少なく取り外しも可能であるなど、お子様への負担が少ないことが特徴です。
マルチブラケット
マルチブラケットとは、歯にブラケットという矯正装置を取り付けて、ワイヤーを通すことによって歯を動かす矯正治療です。幅広い症例に対応できるため、多くの歯科医院で採用しています。
4歳になったら要確認!
4歳の時点で次の症状がある方は矯正治療が必要な可能性があるため、一度当院までご相談ください。
- 下よりも上の前歯の方が前に出ている
- 上下左右で歯が20本もない
- 歯と歯の間にすき間が全くない
- 指しゃぶりや唇を噛む、舌を突き出すなどの癖がある
- 口をいつも開けている
- 頬杖をつく
- 食習慣に懸念点がある
- いつも姿勢が悪い
お子様の歯は生えてきたら必ずケアが必要です。特に歯科医院に行くのは何歳からと決まりがあるわけではありませんので、ご不安やケアの仕方をどうすれば良いかなど、細かい事でもお気軽に当院へご相談ください。